外壁サイディングに使われるコーキング

現在、外壁にはサイディングボードが多く使われていますが、そのサイディングボードが寒暖差によって伸縮するということをご存知でしょうか?
一般的に、木材が伸縮するということは周知されていますが、硬い素材のイメージがあるサイディングボードが伸縮をするとは思わなかったと言われる方が多いですが、実は木と同じくらい伸縮するのです。

外壁サイディングボードの伸縮に対応するために重要な役割をするのがコーキングです。
コーキングは、その幅、奥行きに、ある程度の「うちしろ」がないと、サイディングの伸縮に対応できずに切れてしまいます。

輪ゴムを想像してみてください。太い輪ゴムと細い輪ゴムを伸ばした時に、切れてやすいのはどちらかを考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
信じられないことですが、新築当時からこの「うちしろ」が取られていない、もしくは十分ではない物件が多数あるのが現実なのです。

外壁塗装をさせていただく時に、このような物件に対してどのような仕事をするべきか。
この時に、外壁塗料の知識と同時にコーキングの知識が必要となってくるのです。

外壁塗装に使用される塗料とコーキング、両方の知識があれば、コーキングのうちしろを担保した上で、劣化を止める為に直射日光や酸性雨からまもる塗膜を塗布、5年保障のコーキングの上から7年保障の塗膜を守る、というような対応ができるのです。
外壁塗装のプロとは、外壁の塗り替えにおいても、常に知識と技術を勉強し続ける努力をし、最適で安心のできる塗装をできる業者ののことであると思っています。

外壁塗料メーカーの知識不足の現実

とある塗料メーカーの勉強会での質疑応答で驚くようなことがありました。
参加していた外壁塗装に参入している町の塗装業者が、「サイディング外壁の塗装にはどのような塗料が適しているか?」と質問した時、塗料メーカーが「ノンブリードポリウレタン」と答えたのです。
私は驚きで声も出ませんでした。

外壁に使われるサイディングは、裏面に熱がこもる為、熱ぶくれがおこります。
そのため、外壁サイディングの上から塗料を塗るときには、熱ぶくれに強い塗料を使う必要があります。
ですから、外壁サイディングの塗料に何が適しているのか?という質問の答えの正解は「ノンブリード変性シリコン」なのです。
ところが、「ノンブリード変性シリコン」は材料費が高い。そこで、コストダウンの為、「ノンブリードポリウレタン」が使われることが多々あるのです。

それでは、塗ったときには綺麗に仕上がっても、すぐに劣化を起こしてしまう。

塗料メーカーですらその知識がない、ということを勉強会で目の当たりにして不安になりました。
「知識がない故に」、「コストダウンの為に」、外壁サイディングの塗り替えにノンブリードポリウレタンを使用してしまう業者がいるのも不思議ではありません。

「知識がない」「コスト重要視」では、外壁塗装のプロを名乗る資格はないのです。